相馬共同火力発電株式会社 新地発電所

環境保全対策

地球のために、潮風と、緑のために。

いつまでもあると考えていたものが残り少なくなり、大丈夫だと思っていたことが環境に大きな影響を与える。人類は、ここ数十年の間に大きなことを学びました。
その教訓が、ここに活かされています。

1 大気汚染対策

燃料である石炭には、若干ではありますが窒素分が含まれており、一方燃焼用の空気中にも窒素が含まれておりますので、燃焼の過程でこれらの窒素が酸素と化学反応を起こし、窒素酸化物(NOx)が発生します。

この窒素酸化物は、乾式アンモニア接触還元法による排煙脱硝装置により、無害な窒素(N₂)と水蒸気(H₂0)に分解して大気へ放出し、環境への影響がないようにしております。

燃焼ガス中に含まれるばいじんは6万ボルトの直流高電圧を用いた電気集じん装置によって捕集し、ボイラ下部に堆積する石炭灰とともにセメントの原料などに有効活用されます。

硫黄酸化物(SOx)は、石灰石・石膏法による湿式排煙脱硫装置によって除去し、副産物の石膏は、建築用資材の原料として有効活用されます。

2 水質汚濁防止対策

海に放出する水に対しては、万全の管理を行なっております。

発電所構内の排水は、総合排水処理設備で浄化処理して極力再使用いたします。

発電に使用した蒸気を冷すために使った海水は、多少温度が上がるため温排水と呼ばれていますが、海ヘ放出されると周辺の海水と混じり、間もなく自然の温度になります。

3 景観対策

美しい自然を守るため、発電所周辺地域と調和するよう樹種を選定して植栽し、敷地面積の25%以上を緑地やふれあい施設等の環境施設としております。

発電所の配色色彩は、周辺の美しい自然と調和を図った親しみのあるものとしております。

4 騒音対策

発電所の運転に伴って発生する騒音の周辺への影響を防止するため、機器類はできるだけ屋内に収納するとともに、建物の壁は防音壁を使用しております。また屋外に設置する機器については、低騒音機器などを使用し、周辺への影響がないよう配慮しております。

5 CO2削減対策(バイオマス燃料の導入)

発電所では、これまでに地球環境問題への取り組みとして、 発電効率の維持・向上、省エネルギーを実施しておりますが、地球温暖化対策である低炭素社会の実現に向けて、平成27年度に再生可能エネルギーである木質バイオマス燃料を導入しました。

木質バイオマス燃料の燃焼によるCO2はカーボンニュートラルであり、木質バイオマス燃料の使用によりCO2排出削減に寄与するものです。

※カーボンニュートラル
CO2の排出と吸収がプラスマイナスゼロのことをいう。大気中のCO2は、植物の光合成による吸収と、植物を燃焼することによる排出が相殺されるため、大気中のCO2増減に影響を与えない。

環境保全対策